まじろ帖

日々のこと。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

甘さのせい

金木犀の香りを苦手に思うのは、頭の中に直接響くようなあの甘さのせいだ。風が強く吹くと、金木犀の雨が降る。

光を浴び

家をひとつすべて更地に戻すというのは想像以上に大変な作業なのだろう。写真一枚を捨てることにだって躊躇してしまうというのに、生まれ育った家をゼロに戻すなんて。縁側の台の上に並べられた思い出のつまっているであろう品々が、静かにそっと光を浴びて…

知っていても

ユークのおじいちゃんは早くに亡くなったので、私は会ったことがない。会ったことはないけれど、初めて見せてもらったおじいちゃんの若い頃の写真が今のユークにそっくり(というか瓜二つ)で驚いた。家族写真を見るのは楽しい。 そこに写っている人たちを知…

サファイアの手

手塚治虫記念館の入口には大きな火の鳥。かっこいい。リボンの騎士のサファイアとチンクの手形足形を見つけた。サファイアの手は小さいなぁ。

シウマイ

雨上がりの朝、表に出るとあれもこれも写真を撮りたくて歩くのに時間がかかる。でも今日は一人で新幹線に乗らなければならないので(一人でって人生初だと思う!)あまり寄り道もしていられない。シウマイ弁当も買わないといけないし。

おいしい

黒糖ピーナッツの食べすぎで顎に吹き出物が出来ましたが、後悔はしていません!お湯割りがおいしい季節になった。

トランプ

ユークの仕事のあと、待ち合わせて映画を観た。イタリアの景色が見たいとユークが言うので「天使が消えた街」。実際にあった殺人事件をベースにした映画で、シエナの街の石畳が続く古く重い道が美しかった。終盤、判決がくだったあと、遺族の悲しみに焦点が…

ドアを開ける

バイト帰りに雑貨屋さんに寄ったら可愛いドアプレートがあったので買ってきた。洗面所のドアを開けるのがちょっと楽しくなりそうだ。いい天気なので今日はどんどん洗濯をする。

青い壁の部屋

連休中に引っ越しに関する色々なことをやってしまわないといけなくて、ユークが手当たり次第ばしばし片付けてくれるので助かっている。 ついにペンキを塗った。初めはいちいちマスキングテープで壁の端やスイッチカバーを覆っていたけれど、途中からもう面倒…

ホットケーキ

連休中はちょこちょことバイトに出かける。 今日は私もユークも休みなので、朝はのんびり出来た。パディも一緒にホットケーキ。

ラジオを

近所の猫がちょっと見ないうちにすっかり大きくなっていた。オッドアイのすらりとした綺麗な子。明日は、青いペンキを買って部屋の壁を塗る予定。新しい家は何も音がなくてつまらないので、寝室のラジオをもう運んでしまうことにした。

パディに

「長持ちするバラなの。香りもとてもいいですよ」とにっこり笑ってたくさんいれてくれた。パディにあげる花束。 いい匂いのする花束。

雨も、

悪そうな猫が我が物顔でバイクに乗っている。かっこいい。天気の悪い朝、まだ薄暗い店内でオープンの準備をするのが好きだ。 「暗くない?明るくしたら?」 と誰かが声をかけてパチパチッと店内の電気をつけてしまうまで、私は輪郭のぼんやりした部屋のなか…

痛むこと

とても好きな曲を、初めて聴いたのがいつだったのか、ふとした瞬間に思い出す。車の助手席で、冬に近いある日の夕方、到達点のない恋愛の終わりにもちょうど近い頃だった。こんな曲を聴いたこともいつか忘れるんだろう、と思いながら私は窓の外で赤く色を変…

冷たいと思った

一本だけで咲くというのは、どんな気持ちだろう。朝、家を出る時、少し涼しいと思うようになった。前日の疲れがいまいちとれていないぼんやりした頭でも、空気が気持ち良いかどうかはよくわかる。今朝、洗い物をしていて水道の水を冷たいと思ったので、私の…

ちょうど

ここがちょうどよいらしい。

人間の世界

じいちゃん、久しぶりに会いに行ったら絶好調でご飯ももりもり全部食べて、途中でハッとしたらしく「なんだ、俺ばっかりで悪いな。食べないのか?」とお粥を勧めてくれた。気分も良いようで、ロビーで犬とも遊んで、日向ぼっこも気持ち良さそうだった。ふだ…

写真を撮らせて

「犬とあなたの写真を撮らせてくれる?」と外国で声をかけると、大抵の人は「いいよいいよ」と笑ってくれた。断られた記憶は、多分ほとんどない。私が手に持っているのがフィルムカメラということもあって「写真、練習したいのね」というような受け止め方を…

五徳

このご飯マークが可愛いのが決め手になった。本当は五徳が軽い方が良かったんだけど、でも可愛いからなぁ。

忘れてしまった

今朝は海辺かと思うような青空だった。何かに感謝したいような何かを忘れてしまったような、不思議な気持ちのまま職場に向かう。

良い子

最近忙しくて、なかなかじいちゃんに会えずにいる。今日はママがじいちゃんの写真を送ってくれたので嬉しかった。じいちゃんが暮らしているところにはとても可愛いゴールデンレトリーバーがいる。すっと車椅子の横に座ってくれるらしい。 なんて良い子なんだ…

灯りを一度

夕方、雨がざっと降っては止み、また降っては止んで、気づくとセピア色の景色が広がっていた。空は面白い。 部屋のなかもみんな褪せたように薄まって、私はソファに丸まってずっとそれを眺めている。部屋の灯りを一度つけてしまったら、この色はすぐにも消え…

モヒート

ユークの誕生日プレゼント用に、気になっていた花屋さんで花束をつくってもらった。持って歩いていたらなんだかずっとモヒートの匂いがするなぁと思い、帰ってきて花束を見たらミントの葉が入っていた。すっきりと静かな花束で嬉しい。

ぴったりな本

新しい家の(と言っても古いんだけど)トイレの壁にもとからついていたランプが可愛い。壁には他に小さな棚がついているので、本を置こうかなと思う。妹尾河童の「河童がのぞいたトイレまんだら」以上にここにぴったりな本が思いつかない。

自転車

ウォーキングデッドが好きで何度でも見る。 シーズン2と3はもう何回見たかわからない。huluで9月からやっとシーズン5が始まったので、最近は毎日見ている。ユークは「リビングで見てもいいよ」とは言うものの、どのシーズンもまったく見ていないしゾンビが…

ほんの気持ち

ケーキ屋さんに色々な種類が置いてあり「可愛い!」と思って貼ってもらったシール、家に帰ってきてよく見てみたら、なんか違うかな…?という気がしてきた。誕生日おめでとう。 ほんの気持ちです。

パツパツパツと雨が近くを叩く音がする。子どもの頃は、フードつきの雨合羽を着込んだ人たちがうちの前にたくさん立っているんじゃないかと怖かった。身じろぎもしないその人たちの雨合羽に次々と降る雨が立てる音。

今日は水曜

「さよなら、人類」を観た。 仕事でくたくたで映画館に着いたので、途中で寝てしまうかも、と思ったけれどそんなことはなく、顔色の悪い奇妙な登場人物たちを興味深くずっと眺めていた。どんよりと曇った景色、薄暗い室内、人々の少ない台詞と絶妙な間の取り…

恋しい

季節ごとに突然思い出したように読みたくなる本というのがあって、夏の終わりは「地上の記憶」だ。うだるような暑さがまだ残っているうちに読む方が良いのかもしれないけれど、夏本番という頃はすっかり忘れているのでつい遅くなってしまう。そして本当は夏…