まじろ帖

日々のこと。

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ロマンデュリスが

休日出勤のユークと待ち合わせて銀座で「彼は秘密の女ともだち」を観た。小雨の降る日曜の夜、映画館はがらがらで私たちはまったく人のいない二階席から一階席をぼんやり見下ろしていた。ロマンデュリスが、痩せて異様にスカートの似合う男になっていた。歩…

雨粒

ここ最近、霧雨のような雨ばかりが降っていて、しばらく歩くとすぐにもう体全体がふんわり濡れてしまうので傘の意味がないなぁとため息まじりの日が続いていた。でもこんな雨粒を見ると、楽しい。

特権

気付けばもうすぐユークの誕生日で、あろうことか私は前日も当日もバイトを入れてしまっていて自分の習っている英語のレッスンまである。スペアリブを食べたいとリクエストはしてくれているのでどうにかどこかで時間を見つけて煮込もう。ケーキ!ケーキも必…

会いたいと思った人は

marco さんのブログで志賀直哉についての記事を時々読んでいたら、ふつふつと志賀直哉を読みたい欲がわいてきて、仕事帰りに図書館に寄った。 随筆集が面白そうなので借りてきて、少しずつ料理の合間に台所で、とか寝る前にベッドで、とか読み進めている。構…

雨の降る日

雨の朝はなんとなく思考が停止する。 晴れている日でも大しててきぱき動いているわけではないけれど、輪をかけて更に何もかもがのろくなるので、私は雨の降る日に死んだ生き物だったことがあるかもしれない。突然寒くなったので、今朝は温かいカフェオレを飲…

空いっぱいに降るような

オーロラを、いつか見てみたい。空で仕事をしていた時、真っ暗な窓の外に時々薄くて小さなオーロラがふわふわと見えることがあった。食事が終わり、窓のシェードをすべてさげてしまった後なので、機内の一番後ろの窓だけそっとシェードを上げて、その頼りな…

トプス

ジュラシック・ワールドを観たらすっかり楽しくなってしまって、帰ってきて家のトリケラトプスで遊んだ。福井の恐竜博物館に行ったときに買ったトリケラトプスは、サイズも細かい柄も表情も本当に最高。普段は本棚の上からリビングを見下ろしているけれど、…

朝の5時

今週はずっと仕事が忙しかったユークが「もうダメだ。眠い」と言うなりぱたんと電池が切れたように寝息をたて始めた。まるで本当にスイッチをオフにしたみたいに一瞬のことだった。それから寝ながら少し咳をしていた。 ふだんあまり風邪をひいたりしない人な…

恋寅

近所の焼酎屋さんに通ってコツコツと貯めたポイントをついにボトルキープ一本に交換。やったー!恋寅は、樽の良い香りがするおいしいちょっとバニラみたいな芋焼酎です。ラベルも可愛い。この焼酎屋さんでユークと幼馴染みと三人で時々飲むのが本当に楽しい。…

ねむいねむい

バイトから帰ってきたらシンクの脇に嬉しいメモが貼ってあった。桃!夕方、家に帰ってくると信じられないくらいくたくたになっていて、夜もぐっすりと眠れる。夜にきちんと眠くなって寝るというのがここ何年もなかったので、体を動かすというのはすごく単純…

止まらなくなって

松本で一度行ってみたかったまるも旅館についに泊まることが出来て嬉しかった。創業は幕末の1868年。明治に入ってからの火災で当時の建物が消失してしまい土蔵造りに建て替えて営業を続け、現在に至るという旅館。 お風呂とトイレが共用なのが少しだけ慣れな…

夜がよく

「にゃー」という声が頭の上から降ってきた。夜はまだじっとりと昼間の暑さを帯びていて、私は実家へパンを届けに汗をかきながら坂道をよろよろ登り切ったところだった。見られていたなんてちっとも気付かずびっくりして見上げるとごみ捨て場の屋根の上に猫…

振り子

二階建てのロープウェイに乗りたいとユークが言うので旅行の二日めは新穂高へ行ってきた。私は高いところが大好きなので、全然構わないけれど、ユークは本当は高いところがあまり得意ではない。ロープウェイは三回にわけて鉄塔の横を通りすぎてぐんぐん登り…

髪や指や

暑さと蝉の声に耳鳴りがするような午後、静かに錆びていくものを見つけて、時間が止まったかのような錯覚を覚える。かっこいい花器だ。 パン屋さんで働き始めてから家に帰ると自分からパンの甘い匂いがするようになった。たぶん、髪や指や手首から。製造チー…

引っ越しをする

安曇野の公園には生き物コーナーがあり、そこでやどかりを見るのが楽しい。青っぽい長い足をかさりかさりと動かすのが見ていてぞわっとするし、彼らが枝を伝って上へ上へと登って行き、時々立ち止まって節々を伸ばしたり引っ込めたりする様子はとても綺麗だ…

朝ごはん

あんドーナッツが朝ごはんの朝は、やる気が出る。お菓子みたいな朝ごはんを食べるのは、ただただ単純に楽しい。

崎陽軒

野球を年に三回くらい観に行く。崎陽軒のシュウマイなんていつでも食べられるのに、ついつい崎陽軒を見るとお弁当を買ってしまう。なんとなく親しい人に会ったような気持ち。東京ドームで会えるなんて、みたいな。ビールが飲めればもっと良かった。シュウマ…

二人で待つような

ユークは、決まったところに行くのが好きな人だ。春はフランス。 夏は松本、安曇野。 秋だけは決まっていなくて、どこか行ってみたいところがその時もしあれば行く。なければ行かなくてもいい。 冬は年末に伊豆。泊まる宿も毎回ほとんど同じだ。気に入ったと…

胃が判断

軟弱なものを、飲んでしまった。旅行の一日目はまったくもってひどい体調で、ずいぶん前から楽しみに予約していたフレンチになど到底行かれる状態ではなかった。部屋で、ウィダーインゼリーとポカリスエットとおにぎりひとつ。付き合わせてもかわいそうなの…

楽しそうなエプロン

去年とても面白かったので今年もまた安曇野の公園のそば打ち体験にユークと行ってきた。周りは親子連ればかりの中、ストライプのちょっと楽しそうなエプロンをかけ、いたって真面目な顔で参加。 1、2、3のリズムが楽しい。 意思とは真逆の太さに切れていくき…

旅行に行くと、いつもよりも多く空を見る。慣れない土地の空がどんな風なのかが知りたいし、あとはやっぱり少し暇なんだと思う。松本は、気持ちのいい街だ。

柔らかい

熱のあとのまだぼんやりしている感じで、世界がぐにゃぐにゃと柔らかい。リビングの方が楽なので枕と掛け布団を持ってきてソファに二日二晩いた。時々保冷剤を取り替え、冷えピタを貼り、何本もポカリスエットを飲んで薬を飲んで、あとはひたすら面白いほど…

両脇の下に保冷剤

めずらしいことに高熱を出した。この暑さなのに駅を降りて寒気を感じた。この忙しい時にまさかと思ったけれど、がっつりの高熱だ。 とりあえず冷えピタをおでこと首後ろに貼り、両脇の下に保冷剤をいれる。これだけでだいぶ冷える。熱さえどうにかさがってく…

どんなもんだ

壁に貼られた世界地図を見て子どもたちが言った。「世界ってこんなもんか!」どんなもんだと思っていたんだと笑ってしまう。この世界はどう?広い?狭すぎ?楽しそう?怖い?「まだ見たこともない景色がこの一枚には詰まっているよ」 と言うと、 「それはい…

あの人に似ている

早起きは、気持ちがいい。でも最近は少し食欲が落ちて朝はジュースとヨーグルトだけにしている。早くまたがっつり食べたい。新しい仕事が始まり、一気にたくさんの人が現れたので名前と顔を覚えるのにものすごく苦労している。とりあえずは(名前が浮かばな…

刻々

盆踊りに参加してみたいと言うと、友達とユークが「いいね、行こうか」と言ってくれたので生まれて初めて盆踊りをすることになった。友達に浴衣を着せてもらい(残念なことに私はどうしても自分では浴衣を上手に着る事ができない)日が暮れはじめた頃に近所の…

くっく

駅に貼られているこのポスターが好きで、ちらりと横目で見ては、エスカレーターでホームに上がりながら一人でくっくくっくと笑っている。声に出して言いたくなる。

瞬きもせず

子どもと犬は、バーベキューにかける情熱がすごい。焼き鳥の動向を瞬きもせずに見つめている。私は、ビールを飲むのに忙しい。 「ソーセージが火事!火事!」 と子どもが大声で叫ぶので笑う。 笑いながらビールを飲むのは難しい。