まじろ帖

日々のこと。

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

風が吹いたらもう待っていられない

ママからじいちゃんの写真が送られてきた。部屋の窓から鯉のぼりのはじっこがちらちらと見えたじいちゃん、 「鯉のぼりがいるなぁ」 と言う。ママはよく見えず 「そうなの?どこ?」 と聞いたら、 「わかんないのか。情けないな」 と首を振っていたらしい。…

舌を噛みそうな名前

「とても大きな骨董市が出るから行ってみるといいわ」 と言われ、日曜の朝のバスに乗り、リルシュルラソルグという舌を噛みそうな名前の町に行く。町の真ん中を運河が流れる古くて小さな町だけど、日曜日になると運河沿いに所狭しと店が広げられて、大勢の観…

花粉症

日本を出るとき「花粉症の薬はいらないかな」と思い、持って来なかったのが悔やまれる。海外でくしゃみ鼻水、喉のイガイガとくればそれは風邪だとずっと思っていたし、実際私はよく風邪をひくので、風邪薬や頭痛薬、喉の薬などはたくさん持っていたのだけれ…

あるはずの

街の真ん中にぽんとメリーゴーランドがある。 缶ジュースを飲みながら(ユークはチェリーコーク。私はあればパナシェ。なければピーチアイスティー)眺めていると、小さい子どもたちはよく乗っている。大人はほとんど乗らない。子どものころ、私はあまりメリ…

フランスで考える彼ら

移動の友PAUL。大きい駅には大体近くにPAULがあるのでコーヒーとパンが買えて嬉しい。リンゴのパン、ショソンオポムが尋常じゃなくおいしかった。実が入っていないペースト状なんだけど、それが酸味があってちっとも甘ったるくなくて本当においしい。電車で…

安上がりで

前の日に買っておいたサンドイッチとヨーグルトの朝ごはん。レモンのヨーグルトが美味しくて好きだけど、冷蔵庫のある部屋に泊まっている時じゃないと買えなくて残念だ。アヴィニョンはキッチンのついている部屋にしたので、ビールもヨーグルトも冷やしてお…

成功しても失敗しても

広場にシャボン玉がたくさん飛んでいた。大きな網みたいなのを振っておじさんが作るシャボン玉は風に吹かれてかなり遠くまで飛んでいく。シャボン玉が出来上がるたびに子どもたちがものすごく嬉しそうに追いかけて行き、つついて割ろうとして成功しても失敗…

放置

戦いや川の氾濫のせいで何度も壊れた橋を「もうやんなっちゃったー」と数百年そのまま放置している街、アビニョン。天気が良いので中州まで散歩した。犬禁止の看板が出ているけどそこら中、犬だらけ。 みんなお行儀もいいのでリードをつけていない子も多い。…

再現

とても美味しかったので、日本に帰ったら真似して絶対作ってみよう!と思いつつあっという間に一年が過ぎて、結局作らずじまいだったZINCサラダをまた食べる。チキン、ベーコン、トマト、アボカド、チーズ、葉っぱとポーチドエッグ。 本当は鴨肉も入っている…

音や匂いや人々の生活を

マルシェのはじっこでにこにこしたおじさんのお店を見ていたら、小さなハリネズミを発見した。ちょっと前かがみな感じが可愛い。 みんな少しずつ色が違うので、一匹を選ぶのに時間がかかった。 ホテルのすぐそばに古い教会があり、夜の散歩のあとユークはこ…

バターナイフ

白水堂のプードルみたいなメレンゲをお菓子屋さんで見つける。 休日でお店はほとんど閉まっていたけれど、PAULが開いていたので朝ごはんはパンオショコラとカフェオレで簡単に済ませた。広場のマルシェで、柄の部分をオリーブの木から作ったというバターナイ…

広場

夜になると広場の活気がぐんと増す。美味しそうな料理が運ばれてきてビールやワインもどんどん飲んで、みんな楽しそうに話をしている。広場の角で誰かが弾くアコーディオンやギターの音がゆったりと響いている。明日はどこに行こうか、と言いながらユークと…

鴨は、木の

散歩していたら鳩を集めているおじさんがいた。 木でできたモビールのようなものを売っていて、その横でパンくずか何かをささっと撒いては熱心に鳩を集めている。モビールは、カモメとかニルスみたいな男の子が乗っているのとかいろいろ種類があって紐をひく…

ダニエーレのラザニア

ダニエーレの顔は知らない。 ダニエーレは、あるイタリアンレストランの厨房にいる人だ。去年も一度ここにお昼ご飯を食べに来た。 ランチの時間で、店内もテラス席もとても混んでいた。 ウェイターたちはみんな陽気で「ボンジョルノ!」「プレーゴ!」と叫び…

かなりなりたい

エクスアンプロヴァンスは、泉の街だ。 歩けばそこら中に噴水がある。 気に入っているのは、広場の端にあるいのししの噴水。 前に来たときは気がつかなかったけれど、いのししの足元には実は他にもたくさんの動物がいた。 こじんまりとしたとてもいい街だと…

バースデー・ガール

移動のために乗ったTGVの中でユークが日本から持ってきた「めくらやなぎと眠る女」を読む。私はこの本の中のバースデー・ガールという話が好きで、繰り返し読む。 二十歳の誕生日にひとつだけ願い事をかなえてあげよう、と言われる話だ。願い事を叶えてもら…

前に、平松洋子さんのエッセイで「拾ってきた小石(もしかしたらサンゴだったかもしれない)を箸置きにしている」というものを読み、なんて可愛いんだろうと感動したのを思い出して、私も海岸で平べったい石を探してきた。すべすべしていて色も綺麗だ。