まじろ帖

日々のこと。

同じことを思う

海が好きなわけではない。
もう何年も泳いでいないし、波が押し寄せるのもひいていくのも見ていると少し怖い。
濡れた砂がブーツにはりついていつまでもとれずにいるのがもどかしいし、髪に海の匂いがつく。

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でも、海を見ると
「ちょっと砂浜に寄ってみようか」
とつい言ってしまう。

足が沈みこむように重く濡れた砂をいともせずざくざくと踏んで歩いていくユークの、そのまったく同じ後ろ姿を、ついこの前も見たような気がするけれど、きっと来年も同じことを思うに違いない。

鏡のように静かにゆらりとした砂を見て、目を細める。