まじろ帖

日々のこと。

パレードの終わり

マルセイユに食事をしに出かけ、バスで戻ってくるとエクスアンプロヴァンスの街ではちょうどカーニバルのパレードが始まったところだった。子どもたちがハロウィンのように仮装をし、ピエロがカラフルな紙吹雪の詰まったパックを売り歩く。ミラボー通りの人混みの中で、陽気な音楽と大きな操り人形(カメレオンや鳥、進撃の巨人みたいな大きな人間)がいくつもゆっくりと目の前を通りすぎて行った。肩車をされて高いところから紙吹雪をばらまく小さな女の子の笑顔がスローモーションのように見える。今年の春はいつもよりも風が冷たく、私は持ってきたセーターだけではとても足りずにユークのフリースを借りていた。黙って立っているとかたかたと震えるほど寒い。それでも歩き出すことが出来ずに人々を音楽を鮮やかな行進を見てしまう。パレードの終わりは、どんな国のどんな規模のものも頭が少しぼーっとして寂しくていい。見届けるのが、好きだ。


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