まじろ帖

日々のこと。

2016-01-01から1年間の記事一覧

定食

お昼ごはん、よく知らない街のカフェに入る。ふだんだったら私が選びそうなお肉の定食は唐揚げ。 私が選ばなさそうなお魚の定食は、マスの味噌粕漬け。知らない街にいるんだから、ふだんと違うものを食べてみるのが面白い。お魚定食だ。

瓶にミント

牛乳瓶に、ベランダの伸びすぎたミントを切ってきて入れた。壁には忘れてはいけないことメモをいくつか。こうしておくと忘れはしないけれど、でも間に合わなくて結局行かれなかった恐竜博なんかは本当に残念。それにしても瓶にミント。 「清貧!」 と言って…

定休日

定休日なのは私のせいじゃないよ。

内容

「元気だった?調子はどう?」 と聞きながら、昔、毎日会っていた頃、私たちは一体どんな話をしていたんだろう?と思う。細くて小さくて、思い詰めたような顔をして、いつも大袈裟なくらいに色々なことを喜んだり怒ったり悲しんだりしていたのは、昨日のこと…

紫陽花の下

思わず息をひそめてしまう。 綺麗なものは、存在しているただそれだけで周りの温度を確実に変えている。紫陽花が今年はあまりに美しく咲いているので、私は彼らを見かける度に足を止め、写真を撮り、いつかもし私が人を殺すようなことがあったとしたら、紫陽…

猫の世界

日本に帰ってきてみると、フランスでの出来事はどれもとても本当だったとは思えない。写真を見ても買ったものを取り出してみても、遠い場所の誰か別の人の思い出のようだ。 あっという間にそんなふうに忘れていく自分を少し薄情に思う。 でも、忘れなければ…

マネージャー

燦々と陽がそそぐ公園で、男の子達は楽しそうにバスケをする。バスケに全然詳しくない私にさえ、彼らがあまり上手でないということがわかり、それでも目が離せずにじっと見ていた。マネージャーみたいな気持ちだ。

感無量

パリのオーナーの本店に行く。お店の内装も並ぶパンもみんなとても綺麗で、オーナーが「イラッシャイマセー!」と覚えた日本語を披露してくれたことも、可愛くて、なんだか感無量だ。

お茶

パリの友達に会う。 ユークはその辺をぷらぷらしてくると言うので、二時間後に待ち合わせ。ラデュレでお茶をする。 ちゃんとフランス語を話せるかな、とか英語もあやふやだったらどうしよう、とか。ドキドキしながらのお茶だ。

ちびちびしていても

サッカーの試合が観たいというユークに付き合って、夕食の後に試合を放送しているカフェかバーを探して歩く。「生ビールを」 とカウンターで注文し、席につくと私にはもうほとんどすることがない。サッカーはユークが好きだからなんとなくいつも付き合って見…

離せない

可愛いというよりは怖くて、目が離せない。この通りを歩く時はちょっと緊張してしまう。 絵がなくなったりはしないだろうけれど、たとえばちょっと顔の向きが変わったりはするかもしれないから。

誰も彼もの不在

なかなか暗くならないというのは、不思議だ。光の粒が、夕方の冷たくなり始めた空気に混じり、少しずつ本当に少しずつ、空を紺色に塗り替えていく。その光景を広場の端のテーブルに座って、ビールを飲みながら眺めていると、ふいに世界中に誰ももう私が知っ…

知らない物語

初めての村でもひょいひょい歩いて進んでいける。スニーカーの履き心地が良くて、リュックには水がきちんと入っていてすれ違う人に挨拶さえ出来ればたいていはOKだ。ここはどんな村? どんな人がいるのかな? おいしいワインはあるのかな?そんな気持ちで村…

時計を

バスは一時間に2本、たぶん来る。 忘れられていなければ。 山の真ん中にひっそりとたつ古い朽ちたような教会とそれを囲むようにしてつくられた村だ。バス停は高いところにあるので、村を見下ろすことが出来る。 「こういうところに住めるかな?」 と話す。…

可愛い顔

歩いている途中、いろんなものが目にはいる。 植物の色も違うし、建物は古くごつごつと冷たい石だ。パン屋さんはどこも覗いて匂いを嗅いでみたい。マルシェに並ぶ野菜の明るい赤、緑、黄色。一本裏の通りでこんな可愛い顔を見つけて大笑いしたりもできるけれ…

リゾット

マルセイユの港には、たくさんのレストランがひしめき合っている。どこのレストランも店の前に看板を出し、魅力的な料理やデザートやお酒を書き散らす。マルセイユといえば、ブイヤベース。 ところが、ブイヤベースがあまり好きではない私は、読みにくいフラ…

等しく距離を

駅から教会のある丘までどんなに短く見積もったって40分は歩いた。しかも最後はこれでもかというほどの坂道を登った。サンフランシスコかリスボンか長崎かというような、日のあたる静かで埃っぽく、延々と続く坂道を。強い風が吹く、海も街も一望できる圧倒…

マルセイユ

マルセイユまでのバスがあるというので、乗ってみることにした。 マルセイユと聞くと治安が悪いとか危険だとかすぐに言われるので、内心ドキドキしていたけれど、行ってみたらそこはとても面白そうな街だった。駅について、階段の上から街を眺め、あの遠くの…

天気

エクスアンプロヴァンスの天気は良い。 セザンヌが生涯愛し、描き続けたサンヴィクトワール山は今日も綺麗だ。

混ぜ合わせた

23時まで営業している食料品店があって、そこに行けば缶のパナシェを買うことが出来る。ビールを何かで割った飲み物というのがけっこう好きで、例えば韓国料理屋で、ビールとマッコリを頼んで勝手に割って飲んだりする。パナシェはビールとレモネードを合わ…

ピーマン

ピーマンハンバーガー。メニューを見てどんなハンバーガーだろうと思ったら、なかなかごついのがやって来た。

誰かから誰かに

ルールマランの村は、長閑だ。 金曜の朝、少し大きなマルシェが立つ。 野菜や果物や肉やチーズ、せっけん、オリーブ、古い食器や本、なんだかわからないような蓋とかずっと昔に誰かから誰かに宛てられた絵はがきとか。マルシェは見ていて本当に飽きない。 ボ…

絶望という名前

絶望という名前のビールは、南仏らしくないなぁと思う。こんなにからりと晴れてあちこちに清潔なラベンダーやらハーブやらの香りが満ちていて綺麗な街なのに、広場のカフェのビールはデスペラードだなんて、変だな。4日連続で夕方になると同じ店に通い、デ…

分かち合えない

天気の良い午後、古びてもう誰も訪れない静かな教会の裏に落ちている松ぼっくりがあまりに可愛いので、妖精を呼びだせるんじゃないかと思う円陣を作って、一人で遊ぶ。目を開けていられないほどまぶしくてからりと気持ちの良い南の日射しの下で、きりっと冷…

映画館

観たかったジャングルブックの実写版がちょうど上映されていたので、ホテルの近くの映画館へ。午前中は6.7ユーロで観ることが出来るので、安いなぁ。子供たちに混じって初フランス映画館を楽しんできた。フランス語吹き替えなので、会話は半分もわかったかど…

味方

電車での長時間移動の強い味方。 ニースからエクスアンプロバンスまでの三時間。本当はちょっと周りの人が話す言葉を聞いていたい気もするけれど、いつも通りの音楽を聴きながら流れていく見慣れない景色を見るのも好きだ。この世界史の本は、面白い。

ニースから電車で20分ほどのアンティーブへ行く。ピカソの美術館があり、旧市街はくるくるといりくんだ道が続く。ピカソの描くアンティーブの海。

みっしり

今回の旅行の私の目的は、パン屋さん巡りをしてみること。というわけでマルシェのパン屋さんでクロワッサンやパンオレザンを買ったり旧市街のパン屋さんでサクリスタンを買ったりして、しょっちゅうぱくぱく食べている(もちろん食事は別腹なのだ)。マルシ…

よく冷えた

暑いので、冷たいものがすぐ欲しくなる。 ジェラートとかジュースとかビールとか。 くっきりとよく冷えたロゼワインとか。

休暇が始まった

今年も南仏での休暇が始まった。いざこっちに来てみると、あんなに一年待ち遠しかったのに、実は去年のことはつい最近みたいな気持ちになる。風が強いけれど、暑くも寒くもなくちょうどいい。