夜の公園
夜、近所の公園で花火をする。
大きなスーパーの入口の端でごっそりまとめて売られていた安くてカラフルで目を背けたくなるような、花火。
小雨がぱらついてのぼる煙のスピードは遅く、やけに白くはっきりとしていた。
煙はいつまでもその場に残って見えた。
線香花火に火を点けてじっとしていると
「花火、またしようね」
と上から声がした。
少し離れた河川敷からは打ち上げ花火の音が流れてくる。
出来ることと出来ないこと、
しても良いこととしてはいけないこと、
私の境界線は煙みたいにぼやけてしまう。
「トウモロコシが食べたい」
と言うと、
「もうそろそろ終わりだよ」
と笑われた。
つまらなくなってトウモロコシ!トウモロコシ!と少し大きな声を出す。
夜の公園で。
100円 食べられません
おもちゃカボチャというのを安曇野の牧場で買ってきた。
「100円 食べられません」
と書いてあって、普段なら食べられないものにあまり興味がないのだけれど、なんとなく。
「秋に向けて色が変わります」
というところにわくわくして。
毎日、じっと見ている。
骨だけ
まるも旅館の朝ごはんが好きだ。
魚って上手に食べられない、といつも思っているのがまるで嘘みたいに私の右手はお箸を使いこなして上と下の身をわけ、骨だけをするすると取り外せる。
「見て!」
と自慢してしまうくらいぺろりと食べる。
ごはんだっておかわりできる。