バッティングセンターに
ユークがチキンカレーを作った。
「元気だしてね」
とユークは言ってくれて、泣いていると励ましてもくれて、カレーはもちろん美味しかったけれど、元気はまだちょっと出なかった。
家に来てくれる人に「もうあんまり泣かない方がパディちゃんのためにもいいんじゃない?」
と言われることがあるけれど、でも私にはどのへんが「もう」なのかわからなくて、目が覚めている時は呼吸をするのと同じくらいに涙がにじみ出てくるのにそれをどうやって止めればいいのか全然わからない。
R が追悼句と言って、送ってくれた。
夏空や パディに見える雲が行く
今年の夏はパディに見える雲を探してしまいそう。
でもすごく気持ち良さそうだね。良かった。
友達と夜ご飯を食べて、新宿のバッティングセンターに寄った。久しぶりで体が鈍っていて当たってもあまり飛ばない球が多かったけれど、それでもかなりすっきりした。ぱきーんと音を立ててバットにボールが当たるのは、まるですごく楽しいことのようだった。違う、ちゃんと楽しいことだった。友達がバッティングセンターに行こうと言ってくれて良かった。