細胞が知っている
松本大洋Tシャツで浮遊する。
週末、埼玉の公園に遊びに行ってきたので久しぶりに心の友のライオンにも会えた。
人工池を覗き込みながら
「おたまじゃくしいるねー!」
「可愛いね!」
と小さな兄妹が喜んでいた。おたまじゃくしは小さくてぷりぷりしていて見るからに素敵な生き物だ。
いい天気で眩しいくらいなので、みんな少し目を細めながら芝の上にピクニックシートを広げてお弁当を食べたりボール遊びをしたりしていた。
子どもたちは、こんな週末の公園で遊んだことなどすぐに忘れてしまうんだろう。でもその忘れてしまう色々なことも、取り出せないだけで記憶のどこかにはきっとずっと残っているんだと思う。だとしたら、私たちは、子どもの頃からの見たもの聞いたもの感じてきたもの全部をまだ体のどこかにしまっているんだな。
私の指は、昔家にいた美しい犬の柔らかな毛並みをきっとまだ覚えているし、いつか誰かが口ずさんでいた優しいメロディーも私はもう歌えないけれど、私の耳には残っているんだろう。
そう考えると、忘れてしまっても大丈夫だ。
細胞が知っている。