風が吹いたらもう待っていられない
ママからじいちゃんの写真が送られてきた。
部屋の窓から鯉のぼりのはじっこがちらちらと見えたじいちゃん、
「鯉のぼりがいるなぁ」
と言う。ママはよく見えず
「そうなの?どこ?」
と聞いたら、
「わかんないのか。情けないな」
と首を振っていたらしい。
屋上に車椅子で出てみたら、今度はよく見えたので
「おお!これだこれだ」
と喜んでいたそうだ。
この前、じいちゃんが
「風が吹いたらもう待っていられないなぁ」
と言ったことを思い出した。
なんのことだろうとそのときは思ったけれど、もしかしたらじいちゃんは飛びたいと思っているのかもしれない。
気持ちの良い春を過ごせたようで良かった。