まじろ帖

日々のこと。

忘れなければわさびも

「今週はずっと雨や曇り。真冬のような寒さとなるでしょう」という残念そうな声の天気予報。


ついこの前まで、私たちは真冬の寒さの真ん中にいたのに、もうすっかり春の空気に慣れてしまっていた。


昼間、家にいるととても静かだ。

時々赤ちゃんをつれて外を歩くママたちの声が聞こえたり、車が通り抜けていったりする以外は何もない。

ラジオをつけていなければ、ここには驚くほど何もない。

ラジオからサム・スミスが流れる。
洗い物をしたら9時まで少し本を読もう。
今日の夕ご飯のメニューはもう決めてあるので、お昼までに宅配便の集荷が来てくれれば、そのあとはいつ買い物に出てもいい。

納豆が食べたいとユークが言っていたのでそれだけは忘れずに買う。忘れなければわさびも。


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穏やかな暮らしに憧れたことはなかったはずなのだけれど、いつの間にかここにいた。

すぐに忘れていってしまうことたちに助けられて、今日を生きているんだなと思う。それもまた明日にはもう忘れながらか。