まじろ帖

日々のこと。

近いような

暖かくて静かなところというのは、気持ちがいい。

それが本を読むために用意された場所だというのだからなおさら素敵だ。店内の誰も喋らず、でも誰かのための飲み物や食べ物の支度をする音が常に小さく聞こえていて、たっぷりと注がれたコーヒーからは良い香りがしている。

 

一緒にいても寂しいのなら、正直なところもうどうしたらいいのか私にはわからないのだった。つまらない喧嘩も顔を真っ青にして思い詰めたように声を震わせて話すことも、もうしてもしなくても同じだ。決定的なことは多分もうみんな知ってしまった。

 

猫たちは膝のうえで丸くなる時にくるりと彼らの細いしっぽを私の腕に巻きつける。それは優しくて誠実な行為だと思った。だからそんなふうになりたいと思って私も抱きしめてみたけれど、愛情はおろか殺意に近いような憎しみめいたものも私からは伝えることが出来ないらしかった。

昼間、電気をつけないままお風呂に入る。

湯気が白くのぼって窓の方へ消えていくのを見るのが好きだ。

 

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なかなか書けずにいた手紙をやっと書き終えて便箋をしまい、コーヒーのあとに飲んだKOVALというジンがとても美味しかった。夕方、外で一人で飲むお酒はくっきりと強いものがちょうどいい。