まじろ帖

日々のこと。

等しく距離を

駅から教会のある丘までどんなに短く見積もったって40分は歩いた。

しかも最後はこれでもかというほどの坂道を登った。サンフランシスコかリスボンか長崎かというような、日のあたる静かで埃っぽく、延々と続く坂道を。

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強い風が吹く、海も街も一望できる圧倒的な存在感の教会だった。観光地然とした顔も好きだ。「誰でも好きな時に好きなように思い出にしてくれ」と言わんばかりの誰にでも優しく、等しく距離を置く強さの種類の建物。

エクス・アン・プロヴァンスから、バスでたった30分の距離なのに、マルセイユはあまりに濃い色や匂いを携えた街なので驚いた。