まじろ帖

日々のこと。

空いっぱいに降るような

オーロラを、いつか見てみたい。空で仕事をしていた時、真っ暗な窓の外に時々薄くて小さなオーロラがふわふわと見えることがあった。食事が終わり、窓のシェードをすべてさげてしまった後なので、機内の一番後ろの窓だけそっとシェードを上げて、その頼りないふわふわを飽きもせずにいつも眺めていた。機内から見るオーロラは本当にすぐに消えてしまうのだ。

だからいつか、空いっぱいに降るようなオーロラをもっこもこに着込んで「わぁー!!」と言いながら思う存分見たい。子どもの頃、アラスカにいたこともあったのに当時はなぜか一度もオーロラを見たことがなかった。

学生時代、Rと「いつか一緒にオーロラを見に行こう」と話した。Rはそんな話をしたこと自体もしかしたらもう覚えていないかもしれないし、私は結婚もして、今はRにも恋人がいるので、私とRが男女ではあるけれどまったくそんな関係ではないのだということをどんなに強調しても、なかなかすんなりと二人ではオーロラを見る旅には出られそうもない。

それでもやっぱり大きいカーテンみたいなオーロラを誰かと並んで見上げるのなら、それはRとだと今でも思う。今度、何とはなしに15年も前の約束をまだRが覚えているか聞いてみよう。


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水の中というのも不思議な場所。