まじろ帖

日々のこと。

コロッケ

葬儀から一晩が経って、実家のパディントンの周りがすごいことになっていた。

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後から後からお花が届くのだそうだ。
近所の人たちからも、遠くに住む友人からも。

私はただただ驚いている。
こんなに死を悼んでもらえるなんて、パディントンは一体なにをしていた犬だったんだろう。

「これ作ったから食べて」
と言って揚げたてのコロッケを持ってきてくれた人がいた。手紙を書いてきてくれた人もいた。カラフルな虹色のラスクをもらった。

コロッケは、俵型でほどよい大きさのじゃがいもと挽き肉でむっちりとしていた。4つ分けてもらって家に帰り、ご飯を炊いて切り干し大根の煮物とお味噌汁を作って、コロッケにソースをかけてユークと一緒に食べた。ふたつめに取りかかろうとした時、涙が出てきて止まらなくなった。

「コロッケが美味しい」
と感じることが悲しかった。

今は何もかもがびっくりするほど悲しい。
でも今はまだ、悲しむだけ悲しんでいいと思う。