まじろ帖

日々のこと。

生き抜いた

パディントンのいない朝が来た。

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夜中、床に敷いたマットの上で皆うとうとしてしまった。あの時もし偶然私が目を覚まさなければ、パディはそのまますうっと一人で旅立ってしまうところだった。あんなに苦しそうだった呼吸が、少しずつ遅く、静かになっていった。呼んでももうあまり反応がなく、家族みんなで声をかけたけれど、パディはゆっくりと最後の息を吐いてそれから胸が動かなくなった。

最後、私のことを起こしてくれたんだとしたら、本当になんていい子。

生き物がひとつの命を終える時にふりしぼる力は、生きた証そのものだ。
生きて生きて生き抜いた先のやっと手の届く場所に死があった。
門をくぐり抜けたんだなぁと思った。
それもたった一人で。超かっこよかったね。

虹の橋というのが、本当にあるのかわからないし、いつになるかもわからないけれど、私がそっちへ行くときは多分パディントンが見つけてくれるだろうからそこだけは安心している。


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不自由だった後ろ足も向こうではきっと治るね。
元気に走れる。