まじろ帖

日々のこと。

願い

たとえば人間の寿命の一年分を犬に譲ってあげることができたとしたら、彼らはそれでどのくらいの長さをここからまだ生きてくれるのだろう。


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ぺったりとくっついて眠り、目を覚ますと何か言いたげにワンワンと小さく声をあげる。

足がきかなくなり、抱き上げて運んでやらなければ自分では歩けなくなった。

水は口元まで器を運んで少しずつ傾け、飲みやすいように首を支える。



動物の命は本当に短い。隣で繰り返し打つ心臓の音を聞いていると、そんなに急がないで欲しいと思う。

おいていかないで、と思う。

でもそれは、大切な人や何かを失いかけている世界中の誰もが思ってそして叶えられない願いなんだろう。


私の寿命を分けてあげたいなんていうのは、強くまっすぐここまで生きてきたこの子に対してすごく失礼なことなのかもしれない。


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↑隣で仕事をしているのが気にくわない、という顔。はいはい、やめますよー。


時間をください、と祈るのではなく、お別れが来るその直前まで「会えて良かった。最高に幸せだった」と思えるように寄り添っていたい。

もうすぐ暑い夏がくる。
がんばろうね。