まじろ帖

日々のこと。

明日、もし寝室の

リーピチープが一片の躊躇いもなくアスランの国へ行ってしまうので、もうわかっていることなのにいつもそこで涙が出る。

小さなボートから一度だけ振り向いてそしてとても満たされた笑みを浮かべてリーピチープはするりとそちら側へ行く。


子どもの頃、ナルニア国シリーズを読むとき、私はいつも不安だった。ライオンのアスランの美しさや咆哮が恐ろしかった。私はいつかペベンシー家の子どもたちのように勇敢に真剣に生きられるだろうか。あんな風に振る舞えるだろうか。信仰はそんなにも私たちを必要としているのかと思った。信じるものというよりは引き寄せられるものなんだろう、と。


それでも洋服ダンスには今でも憧れる。

明日もし寝室のクローゼットの奥に雪深い森が広がっていたら、怖いけれどそれでもやっぱり行ってみたくなると思う。

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)