まじろ帖

日々のこと。

好きなだけ

奥沢からちょっと歩いて帰ろう、と商店街を歩き、途中の古本屋さんに寄る。

初めての古本屋さんは、どんな本があるかまったくわからないので面白い。小学生の時、水泳の授業でプールに潜り、投げ込まれて沈んでいる宝物をとって戻って来る、あの時みたいな気持ちだ。


今日の宝物。

バスター先生の動物記。

イギリスの獣医さんのバスター先生が子どもの頃から自分の身の回りにいた動物のことを書いた本で、犬や猫はもちろん、猿やおおかみやオウム、コウモリ、ハリネズミも羊も象も出てくる。

古そうな本なので高いかなぁと思って裏を見ると、なんと200円。

買います!!

f:id:urimajiro_o:20150419141859j:plain

というわけで本棚に仲間入りした新しい本。


本を読んでいると、時間が経つのを忘れる。

リビングのソファに座っていてはっとすると、もうとうに日がくれて部屋の中が暗くなっていたり、電車を乗り過ごしたりしてしまう。

紙のページをめくるだけなのに、さっと別の世界に連れて行ってくれるなんて本当に便利だ。

字を満足に読めるようになって良かった。
子どもの頃、私があまりに「絵本読んで読んで」としつこかったのでうんざりしたママは「自分で読めるようになりなさい。そうしたら好きなだけ読めるわよ」と言ったらしい。

ひらがなを覚えるのには、当時持っていた日本昔話の絵本(たぶんおにぎりが転がっていってしまう話)を使った。泣きながらものすごい時間をかけて人差し指で文字を追い「お…に…ぎ…り…」と読んでいたらしい。「ちょっとかわいそうになったけど、いい機会だと思って放っておいたのよね」とママ。それでも読む私の執念。

あんなに何かを頑張ったのはあとにも先にもあの時だけではないだろうか。

字が読みたい!というあの懐かしくてちょっと苦い気持ちを、最近はフランス語のレッスンを受ける度に思い出す。すらすらと読めるようになるといいな。


好きなだけ本を読めるようになった今、どんな本も面白くて仕方ない。

バスター先生の動物記 (1969年)

バスター先生の動物記 (1969年)