まじろ帖

日々のこと。

月明かりの下にいるものはみんな

夜、Yと仕事のあとに待ち合わせて川まで桜を見に行った。


川沿いの道に電灯はほとんどなく、自分の足元もよく見えないような暗い中で、こんなふうに生き生きと桜が咲いていることに驚いた。


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月明かりの下にいるものはみんなちょっとずつ怖いと思う。


風の冷たさも川から流れてくるとぷりと生臭い匂いも何も気にならなくて、ただただ白い静かな花に圧倒される夜だった。


家に帰り、Yからもらったワインを開けて作っておいたカレーを一緒に食べた。


心ここにあらず、とはこの事だ。


一瞬で胸を鷲掴みにするような花たちが、もうすぐ散ってしまう。