「羊の牧場だって。寄ってみようか」
とユークが道端の看板を見つけてくれた。
牛とか羊とか馬とかが、私は好きだ。
犬も猫もモルモットも狼もフクロウも。
まぁつまり生き物は大抵なんでも。
そういうわけで羊の牧場にはもちろん寄りたくなった。
でも出てきたのは、放し飼いの山羊。
あれ?と思う間もなく山羊はまっすぐ近寄ってきて、静かに立ち上がり、蹄でどーんと私の膝にスタンプを押してくれた。
「動物のお医者さん」に出てくるプルプルを思い出して感動したけれど、あれも山羊じゃなくて羊だ。
可愛かった。
「山羊が飼いたい」
と言うと、ユークは日本語がわからないというような顔で遠くの山を見ていた。