まじろ帖

日々のこと。

おそろしく賑やかに

ある日、小さな生き物たちが家にやってきた。 名前はエンゾと山椒。 近くの動物病院に保護されていた二匹が、とにかく我が家にやってきたのだ。 毎日は突然おそろしく賑やかになった。

ゴジラ

この前シン・ゴジラを観に行った時、ゴジラの第一形態があまりにダイアナに似ていて、もうダイアナにしか見えなくなってしまい、だからダイアナがいじめられているような気がして涙が出たし、お腹も痛くなった。でも確かに無人在来線爆弾はかっこよかった。 …

耳たぶ

マンションの玄関脇のこのわさわさしたところが気に入っている。去年も秋はここに葉っぱがたくさんたまっていて「いいところに引っ越してきたなー」と思って楽しかった。 諦められないものをもう見ないようにするのは、体に穴があくみたいだ。寒くなってくる…

ホットケーキ

朝ごはんを食べに行く。 「パンケーキあるかなぁ」 と言うと、 「パンケーキじゃなくてホットケーキでしょ。ロイホは」 と言われた。そうだったかな、と首をかしげながら「ロイホ」ってなんだか照れてしまって私はやっぱり言えないと思った。 丸いふわふわの…

隙間

あっという間に10月が来た。 慌ただしく優しくて綺麗で寂しい季節が、今年も始まるんだと思うと幸せな気持ち。 9月末で仕事を辞めたので、少しぼんやりしている。 弱虫ペダルやスラムダンクを読んだりして、豚肉のブロックをぐつぐつと煮込んだりする。 隙…

ぬるく

今年の夏は散々だったというのにいざ終わるとなると寂しく思えたりする。 チェリオは甘くて、飲みきれなかった。 ぬるくなっていくので嫌だったけれど、初めの一口は信じられないほど冷たくて美味しかった。 楽しいことのすべてが凝縮されたみたいだったので…

ダイアナのケーキ

「あれ、ダイアナのでしょ!?ね!ママ??あれダイアナのケーキね!」 と言わんばかりにテーブルの上のケーキとママとを交互に必死で見ているダイアナ。残念ながらあなたのケーキではないのです。

一週間

一週間、何をしていたかと言うと来る日も来る日も「パン」なのでした。勤めているパン屋さんの催事で販売をし、週末に受けるパンの試験勉強(まだテキストに線をひいている段階)をし、催事に出店している他のパン屋さんをちょこちょこ見に行ってはレーズンパ…

好きそうな部分

ダイアナの誕生日だったので、プレゼントにダイアナが好きそうな部分がいっぱいついたおもちゃを買う。楽しそうに遊んでいたけれど、きっと一心不乱に噛みちぎってそしてそのあと無邪気に「あれー?」という顔をするんだろう。どうしてこんなことに?と心底…

リビングの壁の青はこの一年ですっかり馴染んだように思う。切り取った新聞や地図やメモをぺたぺたと貼ってあるので、家の壁はいつも騒がしい。 でも、賑やかなのは悪くないと思う。

パーティー

誕生日パーティーの後みたいな色とりどりの静けさが路地裏に落ちていた。「見て。可愛いね」 とふりかえり、それから午後の空が暗い雲でいっぱいになっていることに気がつく。パーティーはちょっと疲れるから。 周りがどんなふうに褪せていったのか、ちゃん…

夜の公園

夜、近所の公園で花火をする。 大きなスーパーの入口の端でごっそりまとめて売られていた安くてカラフルで目を背けたくなるような、花火。小雨がぱらついてのぼる煙のスピードは遅く、やけに白くはっきりとしていた。 煙はいつまでもその場に残って見えた。…

眼が、

松本に行くときに、迷ったけれど久しぶりにフィルムのカメラを持って行った。今、なんとなく撮りたいと思っているものがあって、でもうまく一枚の中におさめられる自信も、そもそも撮る機会も約束もないので、他のものにシャッターを切るのは諦めきれないリ…

100円 食べられません

おもちゃカボチャというのを安曇野の牧場で買ってきた。「100円 食べられません」 と書いてあって、普段なら食べられないものにあまり興味がないのだけれど、なんとなく。 「秋に向けて色が変わります」 というところにわくわくして。毎日、じっと見ている。

澄ました笑顔

上野の美術館にポール・スミス展を観に行く。 「暑いし、上野まで一人で行くの大変だし無理かなぁ」 と思っていたら、同僚が誘ってくれて仕事のあとに二人で行ってきた。ポール・スミスの頭の中の鮮やかな色、アイディア、好奇心。遊び心がいっぱいでいつも…

「羊の牧場だって。寄ってみようか」 とユークが道端の看板を見つけてくれた。 牛とか羊とか馬とかが、私は好きだ。 犬も猫もモルモットも狼もフクロウも。 まぁつまり生き物は大抵なんでも。そういうわけで羊の牧場にはもちろん寄りたくなった。でも出てき…

骨だけ

まるも旅館の朝ごはんが好きだ。 魚って上手に食べられない、といつも思っているのがまるで嘘みたいに私の右手はお箸を使いこなして上と下の身をわけ、骨だけをするすると取り外せる。「見て!」 と自慢してしまうくらいぺろりと食べる。ごはんだっておかわ…

牛乳

安曇野の牧場で牛乳を飲む。 ユークはこういうときソフトクリームを食べるけれど、私は牛乳がいい。こっくりしていておいしかった。 二日この牧場に通って二日ともこの牛乳を飲んだ。炎天下で牛乳なんて変だけど、おいしいからすいすい飲んでしまう。

仙人

森の中にカフェがある。 静かでメニューには何種類ものコーヒーがあり、本棚には古い本がびっしりと並んでいる。こういうのは、どんな生活なんだろう。 お湯をわかし、豆を挽き、ケーキを切り分けて、次にドアを開ける人のことをちらりと見て言葉少なに出迎…

まるも

朝食のあと、隣の喫茶まるもでコーヒーを飲 む。行きたいパン屋さんとジャム屋さんと雑貨屋さんが開くのを待って、それから八百屋さんにワッサーを買いに行くのだ。

小さなバー

道の外れには立ち飲みバーがあり、夕食のお店でどうにも飲み足りなかった私は喜び勇んでその小さなバーのドアを押したのだった。

去年の8月の

ちょうど一年前も同じように松本で過ごす休暇だった。 「去年、ここを通ったときは天気が悪かったんだよ。雨じゃないけど、曇ってた」 とユークが言う。 今日は、晴天。 よくそんなことを覚えている、と思ったけれど、私は一昨年の夏に松本の気に入っている…

快活な口調

名前を呼ぶと、すっと顔をあげるそのわずかな動きが本当に綺麗で静かで、猫というのは不思議な生き物だなぁと思う。暑い夏が始まって、結局体調も素晴らしく良いわけではなくただただ今が過ぎるのを待っているので、何冊も本を借りてDVDを選び、ベランダの植…

サービス精神②

やっぱり、顔は怖いのだ。「撫でればいいじゃない」

サービス精神

近所の不機嫌そうな猫。 見た目はいつも不機嫌そうだけど、実はサービス精神旺盛なので怒った顔のままごろんと転がってお腹を触らせてくれる。「ごろんですか!?ごろんしましょうか!」 とばかりにニャーニャーと話す。

もう一度

どこかへ行かなくちゃ行かなくちゃ、という衝動があまりにくすぶってついに熱を出す。去年も夏風邪をひいたんだった。去年のこの頃に、パディントンと会えなくなった。今も寂しさはちっとも減らなくて、触れられない事実ばかりが日に日にきちんと増えていく…

ちょっとだけ何も

今、お金が少しあって体調も悪くなくて、じゃあここにいなくてもいいかなぁと思う。どうしても私だけを必要とする人や物や仕事は今はない。もちろん何も言わずにある日突然私が出ていったらユークはものすごく怒るだろうし心配もするだろう。でも出かけて行…

カレー

野菜がメインのお店に久しぶりに会う友達とランチに行く。これは、まさしく犬神家の一族カレーだ。

雨の朝、

神戸へ出張に行ってきたユークが「ちょっと早起きをしたよ」と言ってMAISON MURATAでパンを買ってきてくれた。雨の朝、ミルクを足しすぎてぬるくなったたっぷりのカフェオレと、ハードパンをしにしにとかじる。

ばったり

昼間、暑くてまったく外に出られず、スーパーまで買い物に行って帰ってきただけで午後中ぐったり眠っていたので、夜、ユークと近所を散歩する。この犬は大きくて可愛いけれど、よく見ると笑っていないので、夜にばったり会うと驚く。

銀河系一

銀河系一おいしいウーロンハイというのを飲む。銀河系ーかどうかはわからないけれどおいしかった。

アイス

アイスクリーム柄のスカートよく探すと溶けているアイスもあったりする。じっと見ないとアイスクリーム柄だってわからないけど、でも自己満足だからいいのです。

起きてる

夜中、ファミレスでパンケーキ。大人になったみたい!と笑ってしまう。夜中のファミレスでなんてことはない顔をしてコーヒーを飲みながら話したり何か勉強したりしている人も、本当は心のなかでちょっとワクワクしていたりしないのかな?「こんな時間に外で…

偉そう

ダイアナ、実家の両親に甘やかされて育っていて悪の権化みたいにどんどん悪くなっているのが面白い。目につくすべてのものに悪さをしないと気がすまないらしい。スティッチかグレムリンって名前にすれば良かった。テレビを見る時も偉そうだ。

定食

お昼ごはん、よく知らない街のカフェに入る。ふだんだったら私が選びそうなお肉の定食は唐揚げ。 私が選ばなさそうなお魚の定食は、マスの味噌粕漬け。知らない街にいるんだから、ふだんと違うものを食べてみるのが面白い。お魚定食だ。

瓶にミント

牛乳瓶に、ベランダの伸びすぎたミントを切ってきて入れた。壁には忘れてはいけないことメモをいくつか。こうしておくと忘れはしないけれど、でも間に合わなくて結局行かれなかった恐竜博なんかは本当に残念。それにしても瓶にミント。 「清貧!」 と言って…

定休日

定休日なのは私のせいじゃないよ。

内容

「元気だった?調子はどう?」 と聞きながら、昔、毎日会っていた頃、私たちは一体どんな話をしていたんだろう?と思う。細くて小さくて、思い詰めたような顔をして、いつも大袈裟なくらいに色々なことを喜んだり怒ったり悲しんだりしていたのは、昨日のこと…

紫陽花の下

思わず息をひそめてしまう。 綺麗なものは、存在しているただそれだけで周りの温度を確実に変えている。紫陽花が今年はあまりに美しく咲いているので、私は彼らを見かける度に足を止め、写真を撮り、いつかもし私が人を殺すようなことがあったとしたら、紫陽…

猫の世界

日本に帰ってきてみると、フランスでの出来事はどれもとても本当だったとは思えない。写真を見ても買ったものを取り出してみても、遠い場所の誰か別の人の思い出のようだ。 あっという間にそんなふうに忘れていく自分を少し薄情に思う。 でも、忘れなければ…

マネージャー

燦々と陽がそそぐ公園で、男の子達は楽しそうにバスケをする。バスケに全然詳しくない私にさえ、彼らがあまり上手でないということがわかり、それでも目が離せずにじっと見ていた。マネージャーみたいな気持ちだ。

感無量

パリのオーナーの本店に行く。お店の内装も並ぶパンもみんなとても綺麗で、オーナーが「イラッシャイマセー!」と覚えた日本語を披露してくれたことも、可愛くて、なんだか感無量だ。

お茶

パリの友達に会う。 ユークはその辺をぷらぷらしてくると言うので、二時間後に待ち合わせ。ラデュレでお茶をする。 ちゃんとフランス語を話せるかな、とか英語もあやふやだったらどうしよう、とか。ドキドキしながらのお茶だ。

ちびちびしていても

サッカーの試合が観たいというユークに付き合って、夕食の後に試合を放送しているカフェかバーを探して歩く。「生ビールを」 とカウンターで注文し、席につくと私にはもうほとんどすることがない。サッカーはユークが好きだからなんとなくいつも付き合って見…

離せない

可愛いというよりは怖くて、目が離せない。この通りを歩く時はちょっと緊張してしまう。 絵がなくなったりはしないだろうけれど、たとえばちょっと顔の向きが変わったりはするかもしれないから。

誰も彼もの不在

なかなか暗くならないというのは、不思議だ。光の粒が、夕方の冷たくなり始めた空気に混じり、少しずつ本当に少しずつ、空を紺色に塗り替えていく。その光景を広場の端のテーブルに座って、ビールを飲みながら眺めていると、ふいに世界中に誰ももう私が知っ…

知らない物語

初めての村でもひょいひょい歩いて進んでいける。スニーカーの履き心地が良くて、リュックには水がきちんと入っていてすれ違う人に挨拶さえ出来ればたいていはOKだ。ここはどんな村? どんな人がいるのかな? おいしいワインはあるのかな?そんな気持ちで村…

時計を

バスは一時間に2本、たぶん来る。 忘れられていなければ。 山の真ん中にひっそりとたつ古い朽ちたような教会とそれを囲むようにしてつくられた村だ。バス停は高いところにあるので、村を見下ろすことが出来る。 「こういうところに住めるかな?」 と話す。…

可愛い顔

歩いている途中、いろんなものが目にはいる。 植物の色も違うし、建物は古くごつごつと冷たい石だ。パン屋さんはどこも覗いて匂いを嗅いでみたい。マルシェに並ぶ野菜の明るい赤、緑、黄色。一本裏の通りでこんな可愛い顔を見つけて大笑いしたりもできるけれ…

リゾット

マルセイユの港には、たくさんのレストランがひしめき合っている。どこのレストランも店の前に看板を出し、魅力的な料理やデザートやお酒を書き散らす。マルセイユといえば、ブイヤベース。 ところが、ブイヤベースがあまり好きではない私は、読みにくいフラ…