読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

まじろ帖

日々のこと。

アヒル

「アヒルが泳いでいるよ」 というのはなかなか可愛らしい目印だった。 鮮やかな黄色のくちばしと水かき。

全部ということ

中古のカメラをひとつ買った。 ちゃんと写るのかはわからないけれど、可愛かったので。 外を歩きながらぱしゃりぱしゃりととりあえず何にでもシャッターを切る。ハーフサイズカメラなので27枚撮りのフィルムは倍の54枚撮れることになるらしい。よくわからな…

色濃く

スタバの桜シリーズが始まった。 これは私の春の準備。 桜ほうじ茶を買ってきて、あとは洗面所で朝、顔を洗うときに「冷たーい」と言わなくなれば春だ。 木蓮のつぼみを眺めながら歩く寒いこの時期はとても楽しい。 一年はあっという間に色濃く過ぎる。 何が…

スコーン

バレンタインデーは、いいと思う。 普段なら口にしないようなチョコレートも浮かれてたくさん食べられる。 「スコーン焼こうかな」 とユークが言うので 「チョコレート?」 と聞いたら 「ベリー」 とのこと。なんでも楽しみ。

すらり

眠っている山椒。 1月はとても穏やかに過ぎていった。 寒さに首をすくめ、家までの道を歩いていると、少しずつ春に近づいているのがわかる。木や草が、くつくつとその体をのばしていく。 私は冬が好きなので、このままでいいとも思うけれど、半袖からのびる…

冬の形

厄払いに行ってきた。 同い年の幼なじみ6人で川崎大師へ。 年末、どうして話せなかったんだろうと時々思い出す。 嘘をついたわけではないけれど、言えなかったことがあって、それが気になるまま年が明け、私は何事もなかったかのように、空気のぴんと張った…

じいちゃん

じいちゃんが、ぐっと年をとった。 体に悪いところはなく、ご飯もゆっくりとだけれど完食出来るし、会いに行くと「おぉ」と嬉しそうに笑ってくれたりするけれど、でもじいちゃんの生命の光(みたいなもの?)はこのところずいぶん静かになったと思う。悲しいと…

午後から降り始めた雨はどんどん強くなり、映画館を出た頃には、とても寒くなっていた。 「ハンバーガーを食べようよ」 とユークがめずらしいことを言うのでSHAKE SHACKへ行く。 静かに鈍く光る雨が綺麗。

なんてつまらないことは

少し熱っぽいなと気がついたとたん、体がことんとスイッチを切ってしまう。 眠いの何も考えたくないの眠れないの頭が痛いの。 子どもみたいにぐずりそうだ。 職場でオープン記念にたくさん届いた花を分けてもらい、持ち帰る。 ユークがいくつかのコップやグ…

今日は昨日の

年が明けた。 子供の頃は、もっとすごくワクワクして0時まで起きていていいなんて信じられない!と思いながら待っていた気がする。 年が明けたら去年までのモヤモヤが急にぴーんと清算されたり、すごくいい自分になれていたりするんじゃないかって。 でもや…

海まで

今年も下田の海を見た。 日の出を見たいとユークが言うので5時半に起きて車に乗り、海まで行った。近くのコンビニでホットコーヒーを買い、砂浜で日の出を待つ。 「寒いね」 と言ったり 「でも風がないからちょっと楽」 と言ったりする。 「船がいるね」 と…

クリスマスにケーキ

クリスマスにケーキを焼くよ、と言うユークの気持ちが嬉しいのであって、ホールまるまる一個のケーキを私たちが食べきれるわけがないのだけれど、でも生クリームに私の好きなベネズエラのラムをいれていいと言うので、もっと嬉しくなる。

たった

大きな窓から夕方の光がたっぷりと射し込んで「眩しい」と言って笑った。ユークがコーヒーを持ってきて隣に座る。 冬の風が吹く乾いていて眩しい外の世界を、暖かい場所から眺める。 たったそれだけのことだ。 たったそれだけのことだけれど、眺めるという時…

そしてまたそっと光ったり

「クリスマスマーケット、去年は来なかったね」 とぽつりと言う。風が冷たくて、人の流れが早い。食べ物を売る屋台ばかりが立ち並び、お腹が空いている人には多分ちょうどいいのだろう。温かいワインもソーセージも。 「あれは一昨年?もっと前?」 12月25日…

簡単なこと

山と空と夕方の境目をただじっと見ていると、たとえば10年前の自分が何を考えながら生きていたか思い出せるような気がする。気がするだけだから、実際に具体的な胸に込み上げるような何かをしっかり手にするわけではないけれど、それでもこうして立ち止まれ…

スープ

冬の朝、食欲がないなぁと思う時、インスタントのスープがあるとやっぱり楽だ。丁寧にたくさん野菜を切って押し麦を入れてコトコト煮て自分で作るスープも美味しいしほっとするけれど、お湯を注ぐだけで温まれるというのは、すごく正しいことのように思う。

晴れた日は

カサカサと気持ちのいい道を歩く。 冬は、いろんなものがみんなぱりっと乾燥していて気持ちがいい。そのままもっとぱりぱりに砕いて細かい粉みたいにして全部飲み込むとか、もしくは風の強い場所からばーっと撒き散らすとかそういうふうにできたらいい。その…

あれ

いちょうの葉っぱを拾って歩く。 くるくると回してちらちらと黄色が回転するのを見ていると、ちょっと笑いたくなってくる。 貰い物の銀杏をジップロックの袋に入れたまま台所の引き出しにしまっているんだった。 「そうだ、あれを食べなくちゃ」 と思う。ユ…

冬の素敵

11月があっという間に終わってしまって、つまりクリスマスまであともう一ヶ月ないということになる。 早いねえ、とサンタのおじさんに話しかける。 温かい料理を作りたくなるし、作っていいのが冬の素敵なところだね、と。 自分一人のために料理をする気には…

ずっと

「じいちゃん、笑って」 と言うと、 「おう」 と答えてにっこりする。 じいちゃんのこの眉をきゅっと寄せた笑いかた、大好き。 「じいちゃん、元気」 と聞くと、 「そうだな」 と頷く。 じいちゃんに聞いてみたいことがたくさんある。 じいちゃんはいつだっ…

宇宙人くらい

エンゾの体はつるりとしていて冷たい。 くるりと器用に小さく丸くなって私のセーターに顔を押し付け「ぶーぶ、ぶーぶ」と音を出す。 犬はこんな声を出さない。 猫は、なんだか宇宙人くらい遠く感じる生き物だ。 でも、せめて彼らに対してだけは、私は清潔で…

一握りの

日々は我慢と寛容と憎しみと一握りの愛で成り立っている。 同じものを食べ、同じ場所で呼吸をし、眠り、繰り返しつかうお箸、コップ、歯ブラシ、石鹸、カミソリ、耳掻き、爪切り、ボールペン、ファイル、印鑑、セーターやシャツや靴下。見たい番組、聴きたい…

童話

早いものでもう三度めだ。 毎年チェックアウトの時にユークは次の年の今日のこの部屋を必ず予約して帰る。 息苦しくない?と聞く。 じろちゃんと一緒にいたいから、とユークは言う。 童話みたいに生きるのなんて嫌だと言ったら涙がでた。

大事なこと

やけに言葉が胸に刺さる。 大事なものは大事にしなければいけないんだって、そんなのは当たり前のことなのに、耳たぶに新しくひとつ開いた穴が痛むので、まるでとてつもなく難しいことを宿題に出されたような気になってしまう。 その病院ではヘリックスは開…

夢が詰まったみたい

デパートのカフェでお茶を飲んでいたら、ガラスの向こうにもう何年も会っていなかった友達が立っていて、目があって「え?」と思ったら「じろちゃん」と声をかけてくれた。 こんな偶然てあるんだね。 今度またゆっくり会おう、と話して別れる。 引き戻される…

平日のお昼

火曜日に香川で別れた友達が昨日から今度は東京へ。 ポテトクリームを食べに行ってきた。 「平日のお昼にワインなんて幸せだね」 と言って背の高い友達が隣で笑う。

古めかしいアブサン

香川に来た。もう5年くらいの付き合いになる友達に会いに。妹には赤ちゃんが生まれた。お姉ちゃんとその旦那さんと鉄板焼きのおいしいお店に行き、ビールもワインもたくさん飲んで、ウニとトリュフのオムレツを食べたりからすみと水菜の焼きそばを食べたり…

準備

クリスマスの準備がはじまった。 日に日に外は寒く、体が固くなるのに、温かくて幸せな気持ちは増えていく季節だ。

自分たちだけの

雨が降って寒いので窓を閉めきったままにしておくと、くしゃみが出る。もともと猫アレルギーもちなのに二匹の子猫がやってきたのでちょっと息が苦しい。空気清浄機には「勉強中」という静かなモードがついていて、確かにそれはゴーッと音を立てるよりは遥か…

知らないこと

写真集を見ていたじいちゃんに「これ、読める?」と聞いたところ「オーストリアだろ?」とあっさり。 アルファベットは今でも簡単に読めるんだなぁ。 じいちゃんについて知らないことというのは、意外にある。

タイガー

エンゾがあまりにどたばたと大騒ぎをするので、着ていたTシャツのDJタイガーを見せる。 「悪いことすると、DJタイガーが怒るよ!」 神妙な顔をして聞いていたけれど、すぐにまた暴れだしていた。

昨日起きた出来事

「はい、うさちゃん」とぬいぐるみを差し出してあやそうとする君はほんのちょっと前までおんなじような赤ちゃんだったのに、と言ってもきょとんとするだけだ。 「昨日楽しかったね」 の昨日と言うのは過去のことぜんぶだというのがおかしかった。ずいぶん盛…

3個

ケーキ3個食べちゃおう! とユークが言った。 私たちは二駅分歩いて帰った。

おそろしく賑やかに

ある日、小さな生き物たちが家にやってきた。 名前はエンゾと山椒。 近くの動物病院に保護されていた二匹が、とにかく我が家にやってきたのだ。 毎日は突然おそろしく賑やかになった。

ゴジラ

この前シン・ゴジラを観に行った時、ゴジラの第一形態があまりにダイアナに似ていて、もうダイアナにしか見えなくなってしまい、だからダイアナがいじめられているような気がして涙が出たし、お腹も痛くなった。でも確かに無人在来線爆弾はかっこよかった。 …

耳たぶ

マンションの玄関脇のこのわさわさしたところが気に入っている。去年も秋はここに葉っぱがたくさんたまっていて「いいところに引っ越してきたなー」と思って楽しかった。 諦められないものをもう見ないようにするのは、体に穴があくみたいだ。寒くなってくる…

ホットケーキ

朝ごはんを食べに行く。 「パンケーキあるかなぁ」 と言うと、 「パンケーキじゃなくてホットケーキでしょ。ロイホは」 と言われた。そうだったかな、と首をかしげながら「ロイホ」ってなんだか照れてしまって私はやっぱり言えないと思った。 丸いふわふわの…

隙間

あっという間に10月が来た。 慌ただしく優しくて綺麗で寂しい季節が、今年も始まるんだと思うと幸せな気持ち。 9月末で仕事を辞めたので、少しぼんやりしている。 弱虫ペダルやスラムダンクを読んだりして、豚肉のブロックをぐつぐつと煮込んだりする。 隙…

ぬるく

今年の夏は散々だったというのにいざ終わるとなると寂しく思えたりする。 チェリオは甘くて、飲みきれなかった。 ぬるくなっていくので嫌だったけれど、初めの一口は信じられないほど冷たくて美味しかった。 楽しいことのすべてが凝縮されたみたいだったので…

好きそうな部分

ダイアナの誕生日だったので、プレゼントにダイアナが好きそうな部分がいっぱいついたおもちゃを買う。楽しそうに遊んでいたけれど、きっと一心不乱に噛みちぎってそしてそのあと無邪気に「あれー?」という顔をするんだろう。どうしてこんなことに?と心底…

リビングの壁の青はこの一年ですっかり馴染んだように思う。切り取った新聞や地図やメモをぺたぺたと貼ってあるので、家の壁はいつも騒がしい。 でも、賑やかなのは悪くないと思う。

パーティー

誕生日パーティーの後みたいな色とりどりの静けさが路地裏に落ちていた。「見て。可愛いね」 とふりかえり、それから午後の空が暗い雲でいっぱいになっていることに気がつく。パーティーはちょっと疲れるから。 周りがどんなふうに褪せていったのか、ちゃん…

夜の公園

夜、近所の公園で花火をする。 大きなスーパーの入口の端でごっそりまとめて売られていた安くてカラフルで目を背けたくなるような、花火。小雨がぱらついてのぼる煙のスピードは遅く、やけに白くはっきりとしていた。 煙はいつまでもその場に残って見えた。…

眼が、

松本に行くときに、迷ったけれど久しぶりにフィルムのカメラを持って行った。今、なんとなく撮りたいと思っているものがあって、でもうまく一枚の中におさめられる自信も、そもそも撮る機会も約束もないので、他のものにシャッターを切るのは諦めきれないリ…

100円 食べられません

おもちゃカボチャというのを安曇野の牧場で買ってきた。「100円 食べられません」 と書いてあって、普段なら食べられないものにあまり興味がないのだけれど、なんとなく。 「秋に向けて色が変わります」 というところにわくわくして。毎日、じっと見ている。

澄ました笑顔

上野の美術館にポール・スミス展を観に行く。 「暑いし、上野まで一人で行くの大変だし無理かなぁ」 と思っていたら、同僚が誘ってくれて仕事のあとに二人で行ってきた。ポール・スミスの頭の中の鮮やかな色、アイディア、好奇心。遊び心がいっぱいでいつも…

快活な口調

名前を呼ぶと、すっと顔をあげるそのわずかな動きが本当に綺麗で静かで、猫というのは不思議な生き物だなぁと思う。暑い夏が始まって、結局体調も素晴らしく良いわけではなくただただ今が過ぎるのを待っているので、何冊も本を借りてDVDを選び、ベランダの植…

サービス精神②

やっぱり、顔は怖いのだ。「撫でればいいじゃない」

サービス精神

近所の不機嫌そうな猫。 見た目はいつも不機嫌そうだけど、実はサービス精神旺盛なので怒った顔のままごろんと転がってお腹を触らせてくれる。「ごろんですか!?ごろんしましょうか!」 とばかりにニャーニャーと話す。

二日目

カレーを作る。 今日と明日の分だ。 「次の日もカレー!?飽きるじゃん!」 と言った同僚は家で奥さんに甘やかされすぎていると思うんだけど、ひょっとして「カレーは二日目が美味しいよね」と言ってくれるユークに、私が甘やかされているんだろうか?かぜっ…